理事長挨拶

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平成30年6月
一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会
理事長 堀部敬三
(国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)

__この度、一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会(AYA研:アヤ研、英語名:AYA Oncology Alliance)を設立しました。AYAは、思春期・若年成人の英訳(Adolescent and Young Adult)の略語です。AYAは米国において治療成績の改善が十分でない15歳から39歳の世代のがん対策の象徴として2006年から用いられており、わが国においても平成26年3月に定められた「がん研究10か年戦略」の中でライフステージに応じたがん対策の重要性が認識されて小児や高齢者のがん対策が進められる中、AYA世代のがんの実態解明の必要性が認識されました。私たちは、平成27~29年度厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」を通して、国内のAYA世代のがんの実態と課題を明らかにしてまいりました。そして、その成果が生かされ、AYA世代のがん対策が国の「がん対策推進基本計画(第3期)」(平成30年3月)の柱の一つに掲げられました。今回、同研究班の終了を機に、AYA支援に関わる人材の育成とネットワークの構築の場、学際的な取り組みの推進を通して、AYA世代のがん医療と支援の一層の発展を目指し、発起人の賛同を得てAYA研を設立しました。
_AYA世代は、身体的精神的に成長発達し自立していく重要な時期であり、就学、就労、結婚、家族計画など人生を決める重要な出来事が闘病と重なる時期でもあります。 罹患や治療に伴いライフプランの変更を余儀なくされることも少なくなく、世代特有の心理社会的課題があります。本研究会は、これら多様な課題に関する研究活動、学術集会、講演会・研修会の開催、ホームページや書籍等の刊行を通じて情報発信・共有、啓発普及および人材育成を行い、そして、関連の諸団体と連携して社会活動を推進することで、AYA世代のがん医療と患者・家族の支援のさらなる充実に貢献したいと考えています。また、本研究会の最大の特徴は、医師や研究者のみならず、AYAのがん医療と支援に関わる多職種の方々、および、当事者や支援団体の皆様が同じテーブルについて、討議や活動を協働することです。
_皆様には、本研究会の趣旨をご理解いただき、積極的なご参加ならびにご支援をお待ちしております。何卒よろしくお願い申し上げます。