一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

設立趣旨・理事長挨拶

  1. HOME
  2. >
  3. AYA研とは
  4. >
  5. 設立趣旨・理事長挨拶

設立趣旨

【1】設立の目的

一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会は、思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult, AYA)がん領域の学術活動、教育活動、社会啓発及び人材育成等を行うことにより、我が国の思春期・若年成人がん領域における医療と支援の向上に寄与することを目的とします。

1. 私たちのビジョン
がんと共に生きる若者を応援できる医療と社会

2. 私たちの取り組む課題
AYA世代でがんを経験した人たち、AYA世代のがん患者の医療や支援に関わる人たちと共に、AYA世代のがんに関する学術活動、教育活動、社会啓発及び人材育成を行います。

【2】設立の背景

我が国のがん医療において、昨今、ライフステージに応じたがん患者の医療と支援の充実が求められています。なかでも思春期・若年成人(AYA)世代のがん患者に対する取り組みは、その他の世代に比べて遅れており、有効な対策が求められているところです。

私共は、思春期・AYA世代のがん患者に対する包括的な医療・支援の提供を目指して、平成27~29年度厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」を通して、国内のAYA世代のがんの実態と課題を明らかにしてまいりました。同研究班の終了に伴い、AYA支援に関わる人材の育成とネットワークの構築の場、学際的な取り組みの推進を通して、AYA世代のがん患者の医療と支援の一層の発展を目指し、一般社団法人「AYAがんの医療と支援のあり方研究会(AYA研)」を設立いたしました。

【3】発起人(50音順)

天野慎介 大園誠一郎 小澤美和 小原 明 加藤那津 川井 章 河合由紀 岸田 徹 北野敦子 北島道夫 木村文則 Binzee Gonzalvo 桜井なおみ 清水千佳子 杉本公平 鈴木茂伸 鈴木 直 鈴木礼子 高井 泰 高橋 都 多田羅竜平 土屋雅子 富岡晶子 中塚幹也 中村晃和 樋口明子 檜山英三 古井辰郎 堀部敬三 前田美穂 松井基浩 松本公一 丸 光惠 御舩美絵 三善陽子 森 文子 八巻知香子 山本一仁 吉田沙蘭 渡邊知映

理事長挨拶

令和4年3月
一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会
理事長 清水千佳子
(国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科/がん総合診療センター)

このたび堀部敬三前理事長の後任として、一般社団法人「AYAがんの医療と支援のあり方研究会(通称AYA研)」の理事長を拝命しました。AYA研設立より4年が経過し、この間に、国内では第3期がん対策推進基本計画に後押しされる形で、さまざまなレベルでAYA世代のがんの医療や支援を充実させる試みが始まっています。そのなかで、AYA研は、国内で唯一AYA世代のがんに特化した団体として、医療と支援に関わるステークホルダーのハブとなって、学術活動、人材育成、情報発信、社会啓発活動などの幅広い分野でリーダーシップをとってまいりました。

希少で多様なAYA世代のがんの特徴と、それぞれの患者のニーズを踏まえて、この世代でがんと診断された方々のアウトカムを改善することがAYA研の究極の目標です。そのための処方箋を考える場と機会を提供し、現場での実践につなげ、当事者に還元することが、AYA研に課せられたミッションです。がん医療の進歩のスピードは急速であり、また患者や医療を取り巻く社会の状況も非常に流動的ですが、幸いAYA研には、科学的なアプローチを重視しつつも、医療の枠を超えた異なる立場の人々が、互いをリスペクトしながら、建設的、創造的な対話ができる環境がはぐくまれております。その時々のAYA世代の患者・経験者の声をしっかり捉え、患者・経験者のアドボカシーとして、AYA研の活動をさらに発展させて参りたい所存です。

がんと診断された若者の生きづらさの背景には、がんやがんの治療がもたらす身体的な苦痛だけでなく、患者を取り巻く社会の「がん」に対する関心や理解の不足があると感じています。AYA世代の患者は少ないため、なかなか出会うことがないかもしれませんが、ひとりでも多くの方にAYAの世代のがんに関心を持ち、自分ごととして考えていただいて、AYA研の活動にお力添えをいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。