一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ニュース】No.81 <会員緊急アンケートのお願い>事例報告時の同意取得義務化について

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一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会 会員のみなさま
(以下、AYA研と称します)

<会員緊急アンケートのお願い~AYA研主催学術集会・学会誌の事例報告における同意取得義務化について>


平素AYA研の活動にご協力下さり、誠にありがとうございます。
AYA研では、現在、学術集会および学術誌の事例報告において、個人情報(診療情報を含む)を使われる患者さん・ご家族・ご遺族から同意をいただくことを義務付ける方向で検討をしており、次回総会に議題提案する予定です。その前に、この方針について会員のみなさまの御意見を広くいただく目的で、緊急アンケートを実施することになりました。長文ですが、以下の説明と同意取得文書フォーマット案(配信メールに添付)をお読みになり、アンケートにご協力くださいますようお願い申し上げます。

AYA研におけるこれまでの議論の経緯
● 事例報告とは、患者さんの診断や治療、ケアのあり方、医療安全等の課題について関係者が個人情報(診療情報を含む)を共有し、意見を交換する学術活動です。さまざまな課題について関係者が意見を交換することで、貴重な経験から学び、患者さんの医療と支援の向上に役立てることを目的としています。

● これまで保健医療福祉領域の学術団体では個人情報保護の配慮は行いつつも、多くの場合、事例報告について患者さんやご親族の同意をいただくことはありませんでした。国の倫理指針でも、現時点で、事例報告における同意取得は義務付けられておりません。しかし、海外では事例報告でも同意取得が義務付けられることが多く、国内でも日本精神神経学会や日本トラウマティック・ストレス学会等、成育歴や生活歴の詳細な記載が必要となる学会では同意取得を義務付けるとともに、文書フォーマットも用意しています。

● AYA世代のがんにおいても同様に、患者さんの絶対数が少なく希少がんも含まれること、また、その療養過程では個別の文脈に応じたさまざまな課題が生じうることから、たとえ個人情報保護の配慮があっても個人が同定されてしまう可能性が懸念されます。この点について、学術・プログラム委員会の患者委員からも以前から指摘があり、理事会、さらに理事長直轄の諮問委員会で検討を続けてまいりました。また、AYA研は、がん患者さんやご家族、支援者の方々と共に歩む団体です。貴重な臨床経験を事例報告として発表する理由を共有することは、患者さんやご家族と医療者との信頼関係を深め、AYAがんの医療と支援の向上に資すると考えます。

学術・プログラム委員会、理事会、理事長諮問委員会の議論経て、AYA研としては以下のようなご提案を次回総会に諮る予定です。


事例報告におけるご提案

● AYA研が主催する学術集会・講演会・研修会および学会誌における事例報告において、患者さん(未成年の場合は代諾者)や、もしご本人が逝去されている場合はご家族からの文書による同意取得を報告者に義務付けるものとします。

● 同意取得にあたっては、①事例報告という学術行為の目的、②発表の形式、③事例報告をする理由、④個人情報保護の具体的配慮、⑤事例報告への協力は自由であり断っても不利益が生じないこと、⑥一定条件下で同意を取り消せること、⑦患者さんやご家族が希望するなら実際の発表内容を確認できることの7点について、十分な説明を行うものとします。

● 医療機関によっては患者さんから研究発表に関する包括同意を得ている場合もありますが、その場合でも、事例報告に関する個別の同意を義務付けることとします。

● 事例報告にはさまざまな反省点や問題点を共有するものもあり、内容によっては同意取得が困難であることも考えられます。そのような場合は、当該事例の報告がAYAがんの医療と支援の向上に資するものかどうか、その学術的意義と適切性について、倫理委員会等、院内のしかるべき委員会において真摯に審議され、承認を得ることを求めます。

事例報告のあり方については、これからも絶えざる議論を続けてまいります。
アンケートへのご協力を何卒よろしくお願いいたします。

アンケートはこちら  https://forms.gle/c3KxMPoKD569fAVz5
アンケートの 回答締切は2月21日 です。