2025年4月9日
AYAがんの医療と支援のあり方研究会は、大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター 生殖医療センターの森重健一郎さんが主導される「AYA世代がん患者さんの治療後の卵巣機能に関する前向きコホート研究」へ協力しております。
研究資金獲得のためのクラウドファンディング (READYFOR; 5月16日 午後11:00まで)を実施中ですので、ぜひ多くの皆さまよりご支援をお願いしたく存じます。
https://readyfor.jp/projects/OGMC-PCOF
下記に、研究代表者の森重さんからのコメントを掲載させていただきます。
大阪急性期・総合医療センターでは、AYA世代のがん患者さんの治療後の卵巣機能の予測モデルの開発を目指して研究しています。
AYA世代の患者さんは、治療によって妊孕性(=妊娠するための力)の低下をきたす可能性があり、将来の妊娠を希望する患者さんはがん治療開始前に難しい選択を迫られます。現在、日本癌治療学会の治療ガイドラインをもとに妊孕性温存療法(卵子・胚などの凍結)を実施するかの方針決定が行われています。しかし、このガイドラインは卵巣機能の評価が月経の有無だけに拠っており、正確な卵巣機能によるものではありません。そこで、適切なエビデンスに基づいた治療ガイドライン作成を目指し、本研究を立ち上げました。
全国規模でAYA世代のがん患者さんを対象にした前向きコホート研究です。がん治療開始前・治療から1年後・2年後の卵巣機能を反映する血液マーカーや月経の有無などのデータを集めて、AIを活用して治療後の卵巣機能を予測するツールを作成する計画です。治療後の検査は保険適用ではなく、この費用を患者さんにご負担いただくわけにはいきません。また、臨床情報は患者さん個人のプライバシーに配慮し安全に管理するため、EDCシステムを用いて管理する必要があり、研究期間を通じてシステムを維持管理する費用が必要です。
そこで私たちは競争的資金の獲得に努めると同時に、クラウドファンディングで広く資金的な援助を募ることとしました。2025年3月18日から開始しました(5月16日まで)。
ついては、AYA世代のがん患者さんが将来の妊娠を諦める必要のない社会の実現にむけて、是非ともご支援をお願いします。さらに皆さんの周りの方々に、周知いただきたいと思います。
大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター
生殖医療センター
森重 健一郎