一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ブログ】「第5回 AYA研がんサポート研修会」をWeb開催いたしました

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5月29日(日)に「第5回AYA世代がんサポート研修会」がWeb開催され、36名の方に参加頂きました。
 
参加者の皆さん、事前のeラーニングによる講義視聴および確認テストの受講お疲れさまでした!まずは、届いたテキストのボリュームに驚かれた方もいたのではないでしょうか?
 
今回、私は研修会当日のファシリテーターも務めましたが、参加者の皆さんと同じ気持ちで臨みたいと思い、私自身も講義動画を一通り視聴しました。オンデマンドで作成された講義動画ですが、総論にはじまり、長期フォローアップ、就労・就学、セクシュアリティ、家族支援、サポーティブ・ケア、妊孕性、ピアサポートに加えて、リハビリテーションや栄養管理まで、幅広く充実した内容となっています。講義視聴の感想としては、自身も講義を担当しているので大変恐縮なのですが…わかりやすい!というのが第1印象でした。内容もしかりですが、講師の皆さんの穏やかで聴きやすい口調も、AYA支援をするにあたり必要なスキルであると実感しました。そして、忙しい皆さんの中には視聴時間の確保が難しい方もいたかとは思いますが、空いた時間を少しずつ活用して視聴できるのはオンデマンドのメリットですね。そして、理解を深めたいパートを繰り返し視ることができるというメリットも実感しました。

さて、こうして迎えた研修会当日ですが、Web開催の拠点となっていた東京が、今年初の猛暑日となるなか、熱い1日がスタートしました。

兵庫県立がんセンター尾上琢磨委員長の挨拶のあと、各グループに分かれて、アイスブレイク・ブレインストーミングに入っていきました。お互いの自己紹介や、自身のAYA世代を振り返ったり、研修会の参加動機などを共有して頂きました。各グループとも、医師、看護師、心理士、ソーシャルワーカー等の多職種、ピアサポーター等で混成されていましたが、立場は違ってもAYA世代の患者さんの支援を充実させたいという同じ気持ちを持った仲間であるということを認識し合えた貴重な時間だったのではないでしょうか。

続いて、事前に受け付けていた講義に関する質問に講師が直接、回答するという時間が設けられました。皆さんの日頃の疑問に対し、時間をかけて丁寧に回答してくれる、こちらも貴重な時間となったのではないかと思います。
 
そして、お昼休憩をとった午後からは、いよいよ、事例検討です。今回のテーマは「子どもを持つAYA世代への支援」「妊孕性温存後のがん治療中断に関する意思決定支援」についてディスカッションが行われました。前半のテーマでは、がん告知を受けた女性患者さんや5歳の子どもへの精神的支援だけでなく、夫への支援の必要性や、社会資源活用の提案など、多職種によるディスカッションならではの多角的な視点に、私自身も新たな気付きを与えていただきました。
後半のディスカッションでは、「妊孕性」の講義を担当して頂いた、聖マリアンナ医科大学の鈴木直さんが飛び入り参加されたグループもあり、より学びを深められたのではないでしょうか。そして、全体共有の場では、サバイバーであり、ピアサポーターであるNPO法人がんノートの岸田徹さんから頂いた患者目線の意見は、支援する立場にある皆さんの心にグサッと響きましたね。このように患者さんやピアの方の生の声を聴けたことは、参加者の皆さんにとって、この日一番の大きな学びとなったかもしれません。
 
そして、研修会終了後の18時からは、こちらも尾上委員長に音頭をとって頂き、参加者・ファシリテーターのネットワーキングを目的としたオンライン懇親会が開催されました。完全自由参加でしたが、総勢14名の方が参加され、画面の前に各自で美味しそうなお酒や食べ物などを用意頂き、楽しい宴が始まりました。趣味やストレス解消法といった身近な話題から、研修会では聞けなかったAYA支援の話題まで、和やかな雰囲気でトークに花を咲かせて21時に終宴となりました。
 
最後に、研修会に参加して頂いた皆さん、お疲れさまでした!参加いただいた皆さんからは、AYA世代の支援に課題を感じながらも、多様なニーズにどうやったら応えてあげられるのか本当に真摯に向き合っていることが伝わってきました。AYA世代の患者さんは決して多くないですし、多様なニーズに応えるのは簡単ではないですよね。そして、AYA世代を専門としている支援者が多くないからこそ、皆さんと職種や領域を超えて繋り、支援の輪を広げていくことが大切だと感じました。皆さんが本研修の成果を発揮され、AYA支援においてリーダーシップを発揮してくれることを期待しています!
 
さて、次回の第6回AYA世代がんサポート研修会は、11月頃を予定しています。さらに一人でも多くの方と繋がれることを楽しみにしています!
そして、委員会では、これまでに参加いただいた皆さんに、さらなるスキルアップへ繋がるような機会の提供も検討していますので、乞うご期待ください!
 
担当:AYA研教育・研修委員会委員安宅大輝
(東邦大学医療センター大森病院不妊症看護認定看護師)