1月30日(土)、第6回AYA教育セミナーをオンラインで開催いたしました。今回は、東北大学医学部緩和医療学分野の井上彰さんに様々な準備やリーダーシップをとっていただき、東北大学がんプロとの共催で実現することができました。感謝申し上げます。東北は吹雪いているとのことでしたが、100名以上のご参加をいただき、天気に関係なく参加できるところがオンライン開催の魅力と改めて感じました。
今回の教育セミナーから、テーマを「自分らしく生きる」に刷新し、第1部は2名の講師の方による教育講演、第2部はAYA世代にがん治療を経験したお二人から貴重なお話を伺いました。
セミナー開会にあたり、AYA研副理事長の清水千佳子さんからご挨拶しました。
第1部の教育講演1として、大崎市民病院 臨床心理士/公認心理師 がん・生殖医療専門心理士 渡邊裕美さんから「AYA世代がん患者への心理支援~生きる力を支える関わりを目指して~」についてお話をいただきました。AYA世代のPTG(心的外傷後の成長)のお話は、臨床の事例と重ねることができ、病気のなかでその方らしい向き合い方を尊重していくための支援について考える機会となりました。次に、教育講演2として、静岡がんセンター がん看護専門看護師 津村明美さんから「AYA世代がん患者の生きる力を支えるケア~臨床の場で医療者にできること~」についてお話をいただきました。AYA世代の課題から、実際の事例、AYA世代のサポート体制等、すぐに実践へ活かせる内容のお話をいただきました。
第2部は「AYA世代の体験談から“自分らしく生きること”を考える」をテーマに、渡邊裕美さんとAYA世代にがん治療を経験されたお二人との対談でした。診断されたときの気持ち、周囲の人たちとの関係の変化、医療者との関わり、治療中の気持ち、現在の病気に対する向き合い方、治療と仕事の両立など、多くの貴重なお話をいただきました。画面を通していたにも関わらず、手に取るようにお気持ちが伝わってきて、とても感動しました。病気と向き合い、治療をしながら社会生活を両立し、多くの経験をされてきたからこそ、自分らしさに輝きが増すんだろうなと感じました。
次に、ご登壇頂いた経験者お二人と講師お二人に対して、チャットに寄せられた質疑を中心に総合討論を行いました。治療の有害事象に対する事前の対処法や実際のPTGについて、お話を伺いました。登壇者のお二人が病気を経験し「普段の日常が貴重であること」を実感されたという言葉が印象的でした。どんなに朝起きることが辛くても、仕事に行けること、食事を作り食べられることなど、毎日の日常に感謝して生活をしていきたいと思いました。
最後は、東北大緩和医療学分野 井上彰さんからご挨拶をいただきました。
今回のセミナーを通し、オンラインならではのつながりやすさ、参加のしやすさだけでなく、画面を通しても臨場感を共有することができると感じました。オンラインのつながりやすさを活かし、気持ちも伝えあいながら、AYAの輪がさらに広がったらいいなと思います。
第3回AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会も2021年3月20日(土)~21日(日)、完全オンラインにて開催予定です。是非、こちらの参加もお待ちしています。
担当:AYA研 教育・研修委員会 堀口 沙希
(国立がん研究センター中央病院 看護師)