一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ブログ】「第11回AYA世代がんサポート研修会」を開催いたしました

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2025年11月1日(土)、大阪国際がんセンター大講堂にて「第11回AYA世代がんサポート研修会」を開催しました。久しぶりの大阪開催ということで、近畿地方を中心に看護師、医師、メディカルソーシャルワーカー、薬剤師、公認心理師、認定遺伝カウンセラー等、34名の方に参加いただきました。

事前にオンデマンド研修を受講いただき、現地ではグループワークを実施しました。
グループワークでは、A世代症例として「精巣癌と診断された16歳男性」、YA世代症例として「乳がんと診断され1年経過した32歳女性」の2症例を検討しました。受講生の皆さまが時間の限り課題や支援について熱心にディスカッションされていたことが印象的でした。

議論の内容は、治療中や日常生活における副作用のマネジメント、心理的サポート、就学・復職、医療費や制度利用など、今後の生活支援に関する幅広いテーマで、各職種から活発な意見が交わされていました。特に、A世代症例では本人の意思確認や患者とのコミュニケーションの工夫、両親・きょうだいとの関わり方、YA世代症例ではアピアランスケア、妊孕性や遺伝に関する支援について深く話し合われました。

さらに今回は「ピアボイス」コーナーを設け、AYA世代でがんを経験されたお二人にご登壇いただきました。お二人からは、「普通のことを話してくれるのが嬉しかった。非日常の中で日常を感じられ、人として尊重されている経験が大切」「サポートしなきゃという雰囲気はありがたいが、気負いを感じることもある。同じ目線で一緒に悩んでくれることが癒しになる」といった言葉があり、明日からの支援に直結する貴重な示唆となりました。

ご参加いただいた皆さまの熱意と多様な視点が、よりよい支援を見出せる研修会になったことと思います。そしてこれからも、研修会を通じて日本各地の医療職の皆様と一緒に、語り合いながら、AYA世代の患者さんを支える取り組みを広げていけたらと考えております。御参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

次回の第12回研修会はオンライン形式で開催予定です。今回の学びをつなげながら、より多様な参加者の皆さんと議論を深めていきたいと考えています!


【高額療養費の改訂に関する声明文】
2025年度予算案に関する厚生労働大臣と財務大臣の折衝において、医療費が高額になった場合に患者の自己負担額を抑える「高額療養費制度」について、 ひと月あたりの負担上限額が、2025年8月より段階的に引き上げられることが決まりました。 これに対し、患者団体などから、命に直結する治療への影響や治療と生活の両立への不安、拙速な議論に基づく政策決定プロセスの問題に対して、反対の声が上がっており、 そこには多くのAYA世代のがん患者やその家族、支援者の声が含まれています。 がんに関わる医療費による経済的負担は、キャリアや家庭の形成期にあり、経済面での不安がある多くのAYA世代の患者・家族にとって、現状でも重たいものです。 負担額の引き上げは、治療選択だけでなくライフプランにも影響を及ぼし、経済的理由により本来守るべき健康を損なう事態にも陥りかねません。 AYA研は、AYA世代のがんの当事者と医療者、両者の立場から、この政策に反対するとともに、AYA世代の患者の経済的な実態と負担上限額の引き上げが及ぼす影響を精査し、 政策の実施を再考することを求めます。