一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会 設立記念シンポジウム
●2018年6月30日(土) 13:00~16:00
於:ステーションコンファレンス池袋Room1
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AYA Cancer Symposium 2018 に参加して
滋賀医科大学 乳腺・一般外科 河合由紀
2018年6月30日、一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会(略称;AYA研)の設立記念シンポジウム「AYA Cancer Symposium 2018」がステーションコンファレンス池袋で開催されました。
160名の参加者で会場に用意された座席はほぼ満席となっていました。身を乗り出して聴き入る人、びっしりとメモを取る人など熱心な姿であふれ、しかもそれは決して医療従事者だけではなく、AYAがんサバイバーやサバイバーを支える人も一緒に参加していたのが特徴的でした。
「AYA研」初代理事長に就任された、国立病院機構名古屋医療センターの堀部敬三先生・・・いえ、堀部さん(なかなか言い慣れません!)による設立と開会のご挨拶のあと、「AYA研」は様々な職種・立場の人が垣根なく参加する団体であるべく呼称は全て「さん」で行うとアナウンスされ、全国がん患者団体連合会 理事長の天野さんとの司会のもとで計5名のシンポジストによる講演が行われました。
平成27-29年度厚生労働科学研究費補助金「総合的な思春期・若年成人世代のがん対策のあり方に関する研究」班による調査結果からの分析と解説をもとに、本邦におけるAYA支援チーム・ネットワーク構築の構想、患者自身のほか親・きょうだいも含めた問題、社会資源の限界と癌にとらわれない活用の紹介、また、関心が高まるがん生殖医療については基礎知識から意思決定の支援まで、そしてAYAがん患者が‘つながり’‘情報共有する’ことの意義などについて、最後のディスカッションへと展開されました。
会場からの質疑によるディスカッションでは、慣れない「さん」呼び(!)に和やかな雰囲気の中でざっくばらんに議論が行われ、まだまだ時間が足りないといったところで盛会の中閉幕となりました。
私自身、医療者として得手な分野があると自負していたものの、また違う角度でのとらえ方やまだまだ知識の足りない分野の学びなど、AYAがんの抱える希少で多様な問題の深さと勉強不足を改めて認識出来た貴重な機会でした。
AYA世代がん患者に自分が出来ることは何か – 振り返れば、このシンポジウムに誘って一緒に参加した同僚は、私とは違う職種。多職種の医療者、患者、サバイバー、家族等が協働してAYAがんの問題に取り組み、医療と支援の向上を目指して「AYA研」をこれから自分たちが躍動させるのだ、という皆の期待の高まりが実感された設立記念シンポジウムでした。
ああしかし、私自身、職業病から離れて全会員「さん」呼びに慣れるのはいつのことやら・・・