一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ブログ】「第5回AYA研ゼミ」を開催いたしました

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第5回目のテーマは「AYA世代の精神的ケア」で、 神戸大学医学部附属病院 がん相談室/緩和ケアチーム 臨床心理士・公認心理師 の酒見 惇子さんを講師にお迎えし、講演と質疑応答を行いました。

講演は、AYA世代の特徴から始まり、がん患者とのコミュニケーション、患者へのサポート、支援者自身のケアに関してお話いただきました。

AYA世代が、幅広い発達段階を含み、周囲との関わりや環境など様々な点において、個別性が高いことについて、様々なデータとともに解説していただきました。
多様なニーズにこたえるべく、医療者側も、主治医や看護師によるプライマリ・ケアが重要であるとともに、院内外の多様な専門家との連携が大切であることに触れられました

そして、支援者自身のケアにおいては、支援者のバーンアウトについて、詳しくお話があり、バウンダリーを守り、レジリエンスを高める方法について、ご解説いただきました。

日頃、聞く機会が多くない支援者自身のケアについて、心理職という演者のお立場からのご講演が、大変説得力をもたらし、ハッとした聴講者も多かったのではないかと感じました。

次回は4月25日(金)、テーマは「 AYA世代のチャイルドケア  」です。

それぞれの立場で自分の強みに気づき、学びを深めていくことがAYA研ゼミの目標でもあります。
奮ってご参加いただけますと幸いです!

担当:AYA研庶務委員会
小野 麻紀子 (がん研究会有明病院)


【高額療養費の改訂に関する声明文】
2025年度予算案に関する厚生労働大臣と財務大臣の折衝において、医療費が高額になった場合に患者の自己負担額を抑える「高額療養費制度」について、 ひと月あたりの負担上限額が、2025年8月より段階的に引き上げられることが決まりました。 これに対し、患者団体などから、命に直結する治療への影響や治療と生活の両立への不安、拙速な議論に基づく政策決定プロセスの問題に対して、反対の声が上がっており、 そこには多くのAYA世代のがん患者やその家族、支援者の声が含まれています。 がんに関わる医療費による経済的負担は、キャリアや家庭の形成期にあり、経済面での不安がある多くのAYA世代の患者・家族にとって、現状でも重たいものです。 負担額の引き上げは、治療選択だけでなくライフプランにも影響を及ぼし、経済的理由により本来守るべき健康を損なう事態にも陥りかねません。 AYA研は、AYA世代のがんの当事者と医療者、両者の立場から、この政策に反対するとともに、AYA世代の患者の経済的な実態と負担上限額の引き上げが及ぼす影響を精査し、 政策の実施を再考することを求めます。