一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ニュース】No.93 パブリックコメントを募集します(7月19日まで)

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配信日:2022年6月21日

一般社団法人AYA がんの医療と支援のあり方研究会 会員のみなさま
(以下、AYA 研と称します)

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    パブリックコメントを募集します!!
~AYA 研の事例報告における同意取得ポリシーについて~

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日頃より、みなさまにはAYA 研の活動に多方面からのお力添えをいただき、誠にありがとうございます。

 AYA 研は、定款第3 条にありますように、学術活動、教育活動、社会啓発及び人材育成等を行うことにより、我が国の思春期・若年成人がん領域における医療と支援の向上に寄与することをミッションとしております。

事例報告は、そのような目的に資する実践や経験を、特定の事例を通して共有・議論することを通じて、よりよい医療と支援を実現するために不可欠な学術活動ですが、従来は多くの場合、その対象となる当事者の了解を必ずしも得ずに実施されて参りました。

 AYA 研では、先日、緊急アンケートでご意見を伺わせていただきました通り、本年度より、会員のみなさまが学術集会あるいは学会誌において事例報告等を行っていただくにあたり、患者さん・ご家族・ご遺族からの同意取得を求める方針を決定いたしました。それにあたり、このたび、以下のように「AYA 研の事例報告に対する同意取得ポリシー(案)」を公開し、パブリックコメントを募集することといたしましたので、ぜひ忌憚のないご意見をお寄せください。

なお、AYA 研がこのような方針に至った経緯と理由につきましては、緊急アンケートを実施した際の添え書きもご一読ください。
また、3月11日に開催したAYA week 2022特別シンポジウム『事例報告の倫理を考える』も、下記URLにて公開されておりますので、ぜひご視聴ください。https://aya-ken.jp/event/workshop20220311

パブリックコメントの 締切は2022年7月19日(火)です。
下記のURL より、みなさまのご意見をお寄せいただきますようお願いいたします。

URL:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhy-RvzXoxdNpjx0uPOViZBPsQFYStr3A0qY2MLFlO6sx7jg/viewform?usp=sf_link

 そもそも、事例報告において、当事者からの同意取得がなぜ必要なのでしょうか?

緊急アンケートには会員の約3 分の1 にあたる206 名の方々よりご回答をいただき、「同意取得が必要である」と「同意取得が必要な場合と不要な場合がある」のご意見がほぼ半数ずつでした。

同意の意義については、もっとも多数(79%)の方が「患者さんやご家族の人格・意思を尊重するため」を選択されており、「倫理性の向上」や「国際的な趨勢にしたがう」を上回りました。

これらの結果から、回答されたAYA 研会員のみなさまは、「同意取得という手続き」よりも「同意を得るプロセスの中身」を重視していることが伺えます。

特に回答会員のうち患者さん・患者関係者の方は、すべて「人格・意思の尊重」を選択されておりました。世界医師会のリスボン宣言では、患者は「自分自身に関わる自由な決定を行うための権利」とならんで「医学研究や医学教育に参加することを拒絶する権利」を有することが謳われており(日本医師会訳)、知らぬ間に事例報告の対象とされることは「自己決定の権利」と対立することかもしれません。

実際、患者あるいはそのご家族を経験されている立場の方からは、同意を得ない事例報告は「人生を切り取られたようなもの」というご意見もありました。

 一方、同意取得を求めた場合に生じ得る事項として、結果が思わしくなかった事例が報告されにくくなるなどのバイアスが生じ、むしろ医学的に重要な知見の普及を妨げるのでは、という懸念があります。
緊急アンケートでは、「大きなバイアスが生じる」とご回答いただいた方が18%、「バイアスにより医学の進歩に支障が生じる」とのご回答が38%、「バイアスが生じるが医学の進歩には支障を生じない」とのご回答が44% と意見がわかれました。しかしAYA 研は、仮に報告バイアスが生じたとしても、今回の同意取得ポリシーを通じて、医療現場における個人情報に対する配慮の深化がもたらされるとともに、医療者と当事者の情報共有による相互の信頼性向上が育まれることにより、結果として患者さんの利益を増大させると考えています。

 緊急アンケートを受けて開催された3月11 日の公開シンポジウムでは、上記の他にも、事例報告に関する同意取得には、さまざまな課題が存在していることが明らかになりました。

AYA 研は、これらの課題をより深く認識し、適切な解決法を模索していくため、様々な立場の方が目線をあわせて議論していくことが大切と考えています。

今回の試みは、はじめの一歩に過ぎません。
会員のみなさまとの協働により、AYA 世代がんに対するより良い医療と支援を実現するため、多くのご意見を伺えますことを切に希望いたします。

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※本メールはAYA研会員一斉配信です。