一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ブログ】第3回がんプロとAYA研の共催企画「教育セミナー」が九州で開催されました

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title0.png12月21日(土)に、第3回 がんプロとAYA研の共催企画の「教育セミナー」が、九州大学病院キャンパス コラボ・ステーションⅠで開催されました。看護師が参加者の多数を占めたこれまでの東京・京都と異なり、心理士、ソーシャルワーカー、経験者など多彩な職種の方々が参加されました。

<第1部:教育講演>

吉田 沙蘭さん津村 明美さん

意志決定支援をテーマに第1部は、心理学的基礎知識と臨床現場での実際を先週に引き続き、臨床心理士 吉田沙蘭さん、がん看護専門看護師 津村明美さんから学びました。

<第2部:経験者と医療者の対談>

第2部は、小児がん経験者であるYA世代お2人と、YA世代発症のがん経験者の3人にご登壇いただきました。がんの治療中とその後に、それぞれが苦労あり、支援ありの環境で闘病経験をされ、三者三様の価値観を身につけられていることを拝聴すると、“AYA世代”と一言ではまとめられない、ということに改めて気づかされました。

総合討論では、終末期の予後告知についての会場からの質問に、知りたい、知りたくない、どちらでも良い、と3人が異なるご希望を語られました。その理由はそれぞれ納得するお答えで、3人の語る力に感心するとともに、AYA世代の個々の価値観に心を寄り添わせた支援のニーズの高さを ご自身の経験を通して伝えて下った3人の経験者に、心から感謝いたします。

九州大学大学院医学研究院 九州連携臨床腫瘍学

教授 馬場 英司 先生

来年3月28日は、東北大学で第4回が開催されます。各会場の第2部は、その地域に在住のAYA世代がん経験者にご登壇いただき、毎回異なる気づきをいただいています。東北地方のみなさま、是非ご参集下さい。

担当:AYA研 教育・研修委員会委員長 小澤 美和
(聖路加国際病院 小児医療センター)


【高額療養費の改訂に関する声明文】
2025年度予算案に関する厚生労働大臣と財務大臣の折衝において、医療費が高額になった場合に患者の自己負担額を抑える「高額療養費制度」について、 ひと月あたりの負担上限額が、2025年8月より段階的に引き上げられることが決まりました。 これに対し、患者団体などから、命に直結する治療への影響や治療と生活の両立への不安、拙速な議論に基づく政策決定プロセスの問題に対して、反対の声が上がっており、 そこには多くのAYA世代のがん患者やその家族、支援者の声が含まれています。 がんに関わる医療費による経済的負担は、キャリアや家庭の形成期にあり、経済面での不安がある多くのAYA世代の患者・家族にとって、現状でも重たいものです。 負担額の引き上げは、治療選択だけでなくライフプランにも影響を及ぼし、経済的理由により本来守るべき健康を損なう事態にも陥りかねません。 AYA研は、AYA世代のがんの当事者と医療者、両者の立場から、この政策に反対するとともに、AYA世代の患者の経済的な実態と負担上限額の引き上げが及ぼす影響を精査し、 政策の実施を再考することを求めます。