一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

【AYA研ブログ】「第9回AYA世代がんサポート研修会」を開催いたしました

  1. HOME
  2. >
  3. *AYA研ブログ*
  4. >
  5. 【AYA研ブログ】「第9回AYA世代がんサポート研修会」を開催いたしました

第9回AYA世代がんサポート研修会を国立がん研究センター中央病院(東京,築地)にて2024年9月28日(土)に開催いたしました。関東だけでなく、九州を初めとする西日本エリアからも多くの方にご参加いただき、総勢38名(1グループ4-5名)の研修会となりました。医師、看護師、助産師、ソーシャルワーカー、心理士、作業療法士、薬剤師といった多職種での研修会となり、それぞれの立場から意見交換することができたのではないでしょうか

アイスブレイクでは、「私のAYA世代は・・・」と、AYA世代の自分として(なりきって)グループ内で自己紹介を行いました。最初からどのグループも話が途切れることなくトークが続いているようでした。

事前e-learningに対する質疑応答では、講師の方とweb会議でつなげてディスカッションを行い、より一層知識を整理することができました。

今回のグループワーク(事例検討)の模擬症例Aさんは、急性リンパ性白血病の24歳男性。告知後すぐに抗がん剤治療が開始され、造血幹細胞移植を経て社会復帰を目指すという事例でした。将来、消防士になることを夢見ていましたが、治療に伴う身体的・精神的苦痛があり、自暴自棄になっているAさんに対して、診断・治療初期における支援と治療終了後外来フォローへ移行するにあたっての支援の2段階の介入時期での多職種支援についてグループディスカッションを行いました。その後、全体共有として各グループの検討内容について発表を行うことで、より多くの意見を取り入れることができたと思います。最後の総合討論では、各グループの検討内容を聞いた上で、グループ内で更なるディスカッションを行い、盛り上がりはピークに達しました。ところどころ笑い声もあり、とても和やかなムードで研修会を終えることができました。

研修会の締めくくりとして、司会進行の齊藤さん、浦川教育・研修会委員長より、今回参加されたみなさんが、今度は自施設で周囲の人たちをAYAサポートに巻き込んでいく役割を担ってほしいという願いが伝えられました。

今回は、研修会後に希望者を募って参加者とファシリ―テーターとの交流会(ネットワーキング)を実施しました。お互い名刺交換をするなど、つながりを拡げることができました。
12月には第10回AYA世代がんサポート研修会(web)を開催します。AYA支援をやってみたい、AYA支援の必要性を感じているがどうしたらよいか困っている、といった方は、ぜひAYA研のホームページをチェックしてみてください!


【高額療養費の改訂に関する声明文】
2025年度予算案に関する厚生労働大臣と財務大臣の折衝において、医療費が高額になった場合に患者の自己負担額を抑える「高額療養費制度」について、 ひと月あたりの負担上限額が、2025年8月より段階的に引き上げられることが決まりました。 これに対し、患者団体などから、命に直結する治療への影響や治療と生活の両立への不安、拙速な議論に基づく政策決定プロセスの問題に対して、反対の声が上がっており、 そこには多くのAYA世代のがん患者やその家族、支援者の声が含まれています。 がんに関わる医療費による経済的負担は、キャリアや家庭の形成期にあり、経済面での不安がある多くのAYA世代の患者・家族にとって、現状でも重たいものです。 負担額の引き上げは、治療選択だけでなくライフプランにも影響を及ぼし、経済的理由により本来守るべき健康を損なう事態にも陥りかねません。 AYA研は、AYA世代のがんの当事者と医療者、両者の立場から、この政策に反対するとともに、AYA世代の患者の経済的な実態と負担上限額の引き上げが及ぼす影響を精査し、 政策の実施を再考することを求めます。